Darden MBA留学記

MBA留学生活と金融関連について発信します。

1年目振り返り③~Term 1~

今回は、Term 1について書きたいと思います。

 

Term 1は8月下旬~9月下旬にの1か月間と比較的短いTermでしたが、学校生活の始まりや色々と苦労した点において、印象に残っているTermの一つです。授業は①Leading Organization、②Accounting for Managers、③Decision Analysis、④Management Communication、⑤Marketingの5つです。

 

 

Leading Organization

内容はLeadershipとOrganizational Behaviorを組み合わせたようなクラスで、組織内でLeadershipを発揮するための様々な理論であったり、自分自身のリーダーシップスタイルを学びました。勉強する内容がソフトであったため、確固たる何かを学んだという実感はなかったですが、クラスメートとのディスカッションを通し、自らの考え方を深く内省することにより、様々な学びを得た授業でした。

 

Accounting for Manager

こちらは所謂Accountingです。Term 1は管理会計、Term 2は財務会計から構成されます。前職の業務から財務会計については、ある程度理解はありましたが、管理会計はほとんど土地勘の無い領域だったので、勉強になりました。AccountingなんてCaseを通じてどのように学ぶのかと懐疑的な思いをもっていましたが、それぞれの学習テーマによって、うまくCaseが設定されており、毎回、知的好奇心が刺激されました。

 

Decision Analysis

経営者として意思決定を行うにあたり、期待値や分布等の統計学の要素を使い、いかに定量的な分析を行うかという授業です。今般、ビッグデータ等の定量分析の重要性が増している中で、Dardenはデータ分析の授業には非常に力を入れており、MBAプログラムでは唯一、シュミレーションソフトのCrystal Ballを全員が使っております。統計については大学で受講したこともあり、(おぼろげながら)理解しておりましたが、現実世界との繋がりをこの授業を通して、理解できました。

 

Management Communication

経営者にとって大事なプレゼンや文章によるコミュニケーションを学ぶ授業です。良いプレゼン、良い文章に必要な理論も学びますが、一番の要素は実践。教授が一番最初に”Stand and Sweatしてもらうぞ”といってましたが、まさしくその通りでした。この手のものは仕事ではやったことはありますが、理論だって勉強することは始めてだったので、学びも多かったですが、同時に他の学生と一番差を感じ、落ち込むことも多かったです。

 

Marketing

その名の通りの授業で、企業戦略やマーケティングに関するフレームワークから、個別の流通戦略や価格戦略にわたる部分までを学習しました。Caseをこなしながら、なかなか掴みどころが無いなと思っていたのですが、最後の方でようやく少なくとも教授が求めていることが出来てきたのかなと思います。商品戦略、流通戦略や価格戦略といったような、全体戦略から導かれるExecutionの部分がMarketingの肝というのが個人的なTakeawayです。

 

 

これまで海外経験もあり、サマースクールも経験した中でなんとかなるかなと思っておりましたが、その自信を見事に打ち砕かれたTerm1だったいうのが率直な感想です。

 

何事にも意見を持つ

 

Case Methodにおいて、一番重要なのは、「何事にも意見を持つ」ことです。Caseが与えられ、それに対する基本的な設問は準備して答えられるようにして授業に臨むのですが、それらは授業の中身の2割程度で、残り8割はクラスメートのディスカッションや教授のファシリテーションから導かれる即興的な部分です。この場面に差し掛かると、自分なりの意見はあるのですが、becauseの部分が無かったり、弱かったり、説明しきれなかったりで、所謂「浅い」意見となる傾向が多かったです。そうなると当然、手が挙がらなくなり、上手いこと喋るアメリカ人を中心とする他のクラスメートと比較し、自己嫌悪に陥ることも多かったです。加えて、英語も純ドメでは無いとはいえ、ネイティブの人たちと比べると大きな差があり、自己嫌悪を増幅させる理由となりました。

 

アメリカ経験の長い他の日本人学生に「(特にアメリカ人は)なんで何事にも意見を持てるのか」と聞いたところ、「ずっと、そのような訓練を受けてるから」との回答がありました。「何事にも意見を持つ」、MBA生活を通しての課題を認識すると共に、DardenのCase Methodはそれを克服するのに申し分ない環境なわけで、与えられた環境の素晴らしさに感謝したTerm 1でもありました。